こんにちは、makinaです。
高級ブランドの、商品の価格。
本体にかかる費用だけでなく、様々な費用が含まれています。
土地代、広告費用、人材育成費用。
イベント無料招待のための費用や、顧客の家族の記念日に贈る花束代。
さらに、後々値下げせざるを得なくなることを見越して、その値下げ分をあらかじめ定価に上乗せしている例もあります。
この他にも、商品価格に含まれている、一番驚きの費用があります。
それは、系列の他ブランドの赤字補填費用です。
好調な、高級ブランドの商品価格には、赤字の系列ブランドの損失分が上乗せされているのです。
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系列の赤字ブランドの損失補填費用
高級ブランドに限らず、アパレルには、経営母体があります。
あのブランドもこのブランドも、実は同じ会社が経営しているという例は珍しくありません。
例えば、ユニクロとセオリーは、同じファーストリテイリングですし、グッチとボッテガ・ヴェネタは、同じケリングです。
ルイヴィトンとセリーヌとロエベは、同じLVMHです。
他にも、たくさんのブランドが、系列グループとして同じ親会社のもとで運営されています。
中には、赤字のブランドもあるのですが、その損失は、黒字のブランドの利益で補う。
そうすることによって、それぞれのブランドの価値を維持しているのです。
当然、売れている高級ブランドの商品価格を高くすることになります。
ここで利益を上げ、その分を赤字ブランドの再建に充てる。
赤字ブランドが黒字に転じれば、グループ全体の競争力が上がる。
というわけです。
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黒字ブランドは割高
売れているブランドなら、少しくらい高くても、売れる。
それが分かっているから、商品価格を上げるのです。
消費者としては、赤字の他ブランドの商品の一部まで買っているような、そんな状態です。
人気ブランドは、黒字の時点で、割高なのです。
逆に、自分が今赤字ブランドの方の商品を買おうとしていたら、本来自分が支払うはずの利益分は、他の黒字ブランドが払ってくれていることになります。
実質的な意味では、「赤字ブランドは割安」ということになるわけです。
「やっぱり買わない」と思われないギリギリの価格設定
もちろん、系列ブランドがない会社もあります。
でも、ブランド単体のアパレル会社は、ごく一部です。
ほとんどのブランドは、系列グループに入っていますから、多かれ少なかれ、他ブランドの業績が影響していることになります。
そして、その内容は、私たち消費者にはわからない。
赤字や黒字は変動するでしょうし、どのブランドが赤字でどのブランドが黒字か、厳密にはわかりません。
でも、高級ブランドが系列グループを形成しているおかげで、多様な選択肢を与えてもらっている。
それは、間違いないのです。
「赤字ブランドの損失補填費用がこの商品に上乗せされているなら、私はやっぱり買わないわ」。
そう思われないギリギリのところに価格を設定し、黒字ブランドは好調を維持しているのです。