こんにちは、makinaです。
ここへ来て、かなり人気が高まっている、ハンモック。
コロンとしたフォルムが特徴の、ロエベのハンドバッグです。
街で見かけることも、多いのではないでしょうか。
持ち手が短く、肩にかけられない。
マチが大きく、幅を取る。
デザインが特徴的で、いつも同じ印象を与えてしまう。
デメリットが多いにもかかわらず、なぜ、ここまで人気になったのか。
まず、プロモーションの効果があります。
海外で著名人が使い始め、日本でも、ドラマの登場人物がハンモックを持っていました。
加えて、従来の四角いハンドバッグが飽和状態ということも挙げられます。
各ブランドが似たようなバッグを次々と打ち出す中、曲線が美しいハンモックが光るというわけです。
さらに言えば、使いにくさなどのデメリットから「躊躇する人が多い」という事実そのものが、「私がいち早く手に入れたい」という欲求を刺激しているように思います。
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購入にはハードルが高い
ハンモックは、販売当初は、ごく一部のファッショニスタしか関心を示していませんでした。
実際に「購入する」というところまでいく人は、少なかった。
ハンモックは、まず、フタがありません。
ファスナー開閉でもなく、フラップもない。
ショルダー使いをすると、荷物が落ちそうです。
まず、ここで、買うのを躊躇してしまいます。
デザインも斬新で、目を引くので…。
「バッグに目が行かないこと」を、上品さの指標としたら、ハンモックは、決して上品さを売りにしているバッグではありません。
毎日持つとしたら、「いつもこのバッグを持っている人」という印象を与えてしまう。
一見、かなりハードルが高いように思えます。
プロモーションの効果が出た
ところが、ここへ来て、ハンモックを持っている人を街でよく見かけるようになりました。
当初は、海外スナップや、ドラマの中でしか見かけなかったのが、プロモーションの効果か、街に浸透してきています。
「有名人が愛用している」というところから、認知度は確実に上がりました。
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従来の四角いハンドバッグが飽和状態
また、ここ数年は、小ぶりで四角い形をしたバッグが大人気。
シャネル、グッチ、ジバンシィ、ラルフローレン、ジョルジオアルマーニ、ボッテガヴェネタ…。
各ブランドが立て続けに新作を発表し、飽和状態となっています。
その反動で、曲線が美しいバッグは、光ります。
バケツ型や、球体型といったものまで出てきているのは、反動の表れです。
ハンモックは、サイドを広げると半月型に、サイドをたたむとしずく型にと、レザーがカーブを描くフォルムが特徴。
四角いバッグをすでに持っているなら、曲線が特徴的なバッグにも、関心が向いてきます。
躊躇する人が多いからこそ先に欲しくなる
ここで、さらなる人気の理由が浮かび上がってきます。
認知度が上がり、関心も向き始めたタイミング。
そこで、購入に踏み切るかどうかは、気持ちの問題が大きくなってきます。
たいていの場合、「欲しい」という気持ちは、自分が属しているコミュニティの動向に左右されるものです。
「あの子が欲しいものが欲しい」という状態です。
自分が属しているコミュニティの中で、話題には上らなくとも、そのアイテムに関心が向いていることは、何となくわかります。
それなのに、どうやらみんな躊躇している様子…。
そうなると、最初に手に入れてみたくなるものです。
自分を取り巻くコミュニティの中で、「躊躇する人が多い」という事実そのものが、「私がいち早く手に入れたい」という欲求を刺激している。
それが、デメリットも多いハンモックを、購入へと後押しする、「気持ち」の部分なのではないでしょうか。
おそらく、「ハンモックが最近人気」とは言っても、同じコミュニティの中で2人以上持っているというところまでは行っていない。
使い勝手を相談しようと思っても、同じコミュニティにはまだいないくらい。
だいたい、最初の1人が持ち始めた、というレベルの話です。
だから、今のハンモックの人気の理由には、この「周りに躊躇している人が多いから、私が先に手に入れたい」という気持ちも含まれている。
そのような段階のように思えます。
人気の理由が見えにくい
これから先、ハンモックが大流行するなら、同じコミュニティの中で、「私も買う」という人が増えるということになります。
ただ、そこまで大流行することはないような気もします。
「とにかく都合がいい」という、必須条件が、多少弱いからです。
プロモーションと、反動と、気持ちの後押しで、ここまで広まったハンモック。
ハンモックが人気なのは、どうしてなのか?
そう考えると、プロモーションの影響も、四角いバッグからの反動も、「躊躇している人が多いから欲しい」という気持ちの部分も、はっきりと意識されてはいないはずです。
人気の理由が見えにくかったのは、無意識に訴えかけられていたからなのかもしれません。