こんにちは、makinaです。
エルメス、グッチ、ルイヴィトン。
ハイブランドのお店で買い物をすると、さまざまなものを得ることができます。
商品はもちろんですが、何も買わなくても、勉強になることがたくさんあります。
接客や、サービスを学ぶこともできます。
何より貴重なのは、「憧れられるとはどういうことか」を教えてくれることです。
ハイブランドの最大の使命は、憧れられることです。
ハイブランドは、お客様アンケートを取りません。
場合によっては、ニーズがあることを知りながら、それに応えないことすらあります。
エルメスの長財布は、使いにくいという声がたくさんありますが、使う人の所作が美しく見えるデザインを譲りません。
グッチの服は、どんなに奇抜過ぎると言われても、色、柄、モチーフをふんだんに用いて全身を構築してしまいます。
ルイヴィトンのバッグは、「高すぎる」と言われている最上級シリーズに、あえてユーモアに富んだコラボを盛り込むことを継続しています。
エルメスの使いにくい財布も、グッチの奇抜過ぎる服も、ルイヴィトンの高すぎるカンバセーションピースも、仮にお客様アンケートを取ったとしたら、きっと真逆のものが要望されるでしょう。
使いやすい財布、合わせやすい服、お手頃なバッグ。
ですが、それではお客様のニーズを満たすことができても、決して憧れられることはありません。
憧れられるものには、その性質上、どうしても見る人の価値観を矯正してしまう部分が必要です。
そっちじゃないですよ。
こっちですよ。
と。
それをブランドの態度として示すことで、お客さんは「このブランドのお客さんでいたい」と熱望し、後になってから「憧れていたのだ」と気づくのです。
他のものでは代用できない、唯一無二の価値は、そうして浮かび上がります。
お店に並んでいる段階では、商品の価値は完成していません。
お客さんの価値観を矯正した時に初めて、お店に並んでいる商品の価値は、頂点に達します。
普段の生活の中では、こういうことに気づかされる機会は、なかなか訪れません。
実際に自分が足を運んでみて初めて、感覚として腑に落ちるようになります。
ハイブランドでの買い物は、「憧れられるとはどういうことか」を教えてくれるのです。