こんにちは、makinaです。
今日読んだ本はこれです。
「2040年全ビジネスモデル消滅」牧野知弘(文春新書)。
著者は長く不動産業界にいる方で、不動産に起きている変化が、「量より質」のビジネスモデルにも言えるとして、この本を書いています。
よく言われていることではありますが、これからは量より質が求められる時代なんですねやっぱり。
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でも、ずいぶん前からその流れはあるような。
いまビジネスモデルに起きている変化の、「質」の中身がわかれば、ものの見方も変わってくるんじゃないか。そう思って読みました。
「質」の中身は夢や希望の演出
たしかに現代は量的には足りている時代ですよね。必需品やベーシックなものはひととおりそろっている。
不動産も同じなのだそうです。ふつうの持ち家はありふれていて伸び悩み、そのかわり、高級感のあるホテルなどの物件が盛況のようです。
これが「質」の部分にかかわってきます。
「人々の『質的充足』を実現するために、『夢』とか『希望』といった抽象的な世界の演出がさかんになることでしょう。」(p202)とあります。
夢や希望のほうがありふれているんじゃないかと思いました。でも、本書を読み進めると、夢や希望にすがらなきゃいけない現実の厳しさが切迫してきて、リアリティがあります。
夢や希望を演出しよう。
これはどんな分野にも広がる可能性のある価値観じゃないでしょうか。
食の分野でも、ファッションでも、ブログのような文章の中身でも。
その一瞬だけ、夢をみることができる、そんなものに支持が集まる時代になっているのかもしれません。
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まぁ、その夢もいつか醒めて、直面した現実に耐えられず、「日本社会は崩壊の危機を迎える」(p229)という暗い結論で幕をおろす本書なのですが。
でも、近い将来の空気感はとらえているのだと思います。
演出の価値に気づくこと
この「夢や希望の演出」という価値観は、される側とする側で分けて考えないといけないですね。
演出される側は、まず商品のどこからどこまでが演出なのか、お金を払う価値があるのか、見極めなきゃいけません。
一瞬で醒めてしまっても、その一瞬の演出のためにお金を払うんだという自覚がないと、形のないものにお金を払い続けることになってしまいます。
これだけものの質が求められるのは、現実が厳しいからにほかなりません。
現実が厳しいなと思うときほど、夢や希望の演出に意識的にならないといけないですね。
逆に、演出する側は、ビジネスに利用しようと思うと、元手をそんなにかけなくても、商品自体を変えられなくても、演出しだいで売上をのばせるということになりますね。
体験型のイベントをしたり、ワンランク上のものとコラボしたり。
そこまで大がかりなものじゃなくても、みんなでワールドカップを観戦したり、ハロウィンメイクを取り入れたり、ちょっとだけ特別扱いで高級感を高めたり。
そういう要素を加えるだけで、商品やお店、個人のファンになってくれる可能性があるんじゃないでしょうか。
ありふれたサービスはもう十分で、手がのびなくなっています。
現実を忘れさせてくれることを、人々は期待しているのかもしれません。
そこをわかって仕掛けていけるビジネスモデルが、ここから先、支持を集めることになるのでしょう。