こんにちは、makinaです。
先日、夫が初めて、ハイブランド接客の末にバッグを買いました。
今まで何度も買わずに終わり、店員さんを「お目が高くていらっしゃるから…。」と落胆させていた夫が…。
それを知っている私は、この店員さんはすごい!と思いました。
まず、その店員さんは、何も言いません。
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普通ならあれこれ言っておすすめしたくなりそうなところで、ナチュラルに黙っています。
そして、夫が迷って決められずに、「明日もお店開いてます?」と聞いた時。
「はい、開いております」。
そして、またナチュラルに黙る…。
後にわかったのは、次の日はその店員さんご本人はお休みの予定だったということ。
もし、「お店は開いておりますが、わたくしはお休みを頂戴しております」と言われていたら…。
夫は、「じゃあ、決めるなら今日だな。」と、プレッシャーに思ったかもしれません。
だって、今まで何度も買わずに見送ってきたのですから。
店員さんとしては、自分の売り上げにするには、明日ではなく今日買ってもらう必要があった。
その場面で、黙っていられる。
すごい接客でした。
セールストークをしない
買う気満々の人にですら、本当に買ってもらうことは難しいはずです。
ましてや、めったに買わない人に買ってもらうのは、どれだけ難しいことか。
めったに買わない人は、おそらく、どの売り文句にもピンときていないのでしょう。
「便利ですし、革も上質ですし、その上お値打ちです。」
そう言われても、たぶん、「便利じゃなくても買うし、革が上質じゃなくても買うし、お値打ちでなくても買う時は買うよ。」と思っているのです。
そこじゃない、と。
でも、店員さんは、どこにスイッチがあるのか、わかるわけがない。
買う気満々の人のスイッチならどうにか押せても、めったに買わない人のスイッチは押せません。
だったら、黙っている方がいい。
そのことを、知っているのだと思います。
めったに買わない人も「買う時は買う」と思っている
もしかしたら、売れる店員さんがむやみにセールストークをせずに黙っているのは、「余計なことを言わないほうがいい」という以上の意味があるのかもしれません。
きっと、「めったに買わない人も、買う時は買う」ということを、自然と理解しているのだと思います。
実際、めったに買わない人は、「自分はめったに買わない」とは思っていません。
「自分は買う時には買う」と思っているのです。
だから、「この人は買わないだろう」と思われることに、敏感なのかもしれません。
店員さんは、「買わないかもしれない」と思えば思うほど、無意識にセールストークが増えます。
そして、お客の方はどの売り文句にもピンとこないので、結局買わないことになる。
でも、店員さんが「誰でも買う時は買う」と自然に理解していれば、黙っていられる。
だから、「結局買わない」以上の現実を引き寄せるのではないでしょうか。
「きっと入ると思いますよ」とは絶対言わない
夫がバッグを買った買い物の最中、店員さんが発言したのは、数回だけ。
持参していないタブレットのサイズを調べながら、夫が「ちょっとメジャー貸してください」。
「はい。」
「入るかなぁ。」
タブレットの現物が手元にないので、バッグの幅を測っています。
「入りそうですか?」
これが店員さんの発言です。
「きっと入ると思いますよ」とは絶対言いません。
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それから、ギリギリ入りそうということがわかった後、いよいよ本格的に迷い、「明日もお店開いてます?」の質問に、「はい、開いております」。
ご本人は、お休みなのにもかかわらず…。
その後は何も言わず、しばらくして一言。
「お飲み物をご用意しますので、ごゆっくりなさってください」。
これだけでした。
私が夫に、「デザインも色もいいよね。
ストラップも長すぎないし。
ロゴもないのは貴重だよね。
でも、これを使えない場面もあると思うよ。
タブレットがギリギリだから、結局使わなくなるかもしれないし。
この後あっちの店のセールにも行く予定だし、あっちも見てからでもいいんじゃない?」
と言うと…。
「いやー、あっちにはこういうの無さそう…。
荷物が多い時は、家にあるやつを使えばいいし…。」
と言いながら、夫は、何度も鏡の前へ。
最後に夫が、「うん、これにしよう」。
えー!買うんだ!
すごーい!
店員さん、ほとんど何も言わなかった!
この店員さん、すごい!
ハイブランド接客のすごさを見たのでした。
「買わない」という結果になりにくい
めったに買わない人も、「自分は買う時は買うんだ」と思っています。
お店に来る以上、どんな人でも、買う時は買うのです。
そして、できる店員さんは、そのことを知っています。
「買わないんじゃないか」と思ってセールストークが増えて逃げられる、ということにはなりません。
もちろん、買わないことが多いのも事実です。
ただ、できる店員さんの場合には、「買う時は買うだろう」と理解していることが態度に表れるので、「買わない」という結果になりにくいというのもまた、事実なのです。