こんにちは、makinaです。
この服、素敵!
でも、色で悩む…。
よくある光景です。
たいてい、無難で安心感がある色と、新鮮で惹かれる色とで迷います。
こんな時、ハイブランドの店員さんは、後者を勧めます。
その時に何と言うかというと、「今シーズンは、これで行きましょう!」と言うのです。
「今シーズンはこれで行きましょう!」
私自身は、服では「迷いに迷う」ということがあまりありません。
大半は、意図があるので、合わせたい物に合うほうを選びます。
先日は、夫へのプレゼントにマフラーを選びました。
色と種類がたくさんあったので、これは迷う人はけっこう迷うだろうな、と思い、お世話になっている店員さんに聞いてみたのです。
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「迷われるお客さんもいらっしゃると思うんですけど、そういう時はどういうふうにおすすめなさるんですか?」
すると…。
「お持ちでないほうをお勧めします。
そのお客様が元からお好きでたくさんお持ちの色ではなくて、パッと似合われる色ですね。
最初は戸惑われるのですが、こういうものはお使いいただくうちに馴染むようになります。
ですから、『今シーズンは、これで行きましょう!』って。
後からとても気に入って長く愛用してくださる方も多いです。」
それを聞いた私は、「いやぁ、すごい!」の一言。
勇気のかたまりのような発言じゃないですか!
モノより人を先に売っているから勇気を出せる
考えてみれば、ハイブランドの使命は、「憧れられること」。
店員さんも、お客さんの先を行っていないといけないのです。
ちょうどお客さんが欲しがっているピッタリの色が、いつも売り場にあるわけではない。
売り場にある中から、買ってもらわないといけないわけです。
お客さんが想定していない色でも、その人にパッと合う色というのはわかる。
だから、「これで行きましょう!」と、背中を押すのです。
これは、勇気がないと言えません。
おそらく、この店員さんがお勧めする前に、商品はすでに売れている。
というか、モノを売る前に人を売っているのです。
この店員さんがお勧めするから、お客さんは、本当に「今シーズンはこれで行こう」と思うのでしょう。
「これで行きましょう!」と言えるのは、自分を先に売っているという自負が、勇気をくれるからなのではないでしょうか。
人としての魅力で信頼を得る
もちろん、「持っていない色だけど新鮮で惹かれる」という色は、結局手が伸びなくなるケースも多いものです。
だからといって、持っている色ばかり勧めても、もう買う必要がなくなってしまう。
それでは「買い物体験」になりません。
お客さんに合わせるのではなく、お客さんの先を行く。
そのためには、人としての魅力で信頼を得ることが先なのです。
きっと、販売スキルだけではない多くの努力をしているはずです。
だからこそ、迷うお客さんの背中を、自信を持って押す勇気が持てるのです。