他の子のルール違反をわが子がとがめたらどうするべき?

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こんにちは、makinaです。

「ねぇ、お母さん!

あの子、お店の中なのに走ってるよ!」

「あ!あの子、大きい声出してる!」

他の子のちょっとしたルール違反を、とがめるわが子…。

たしかに、お店の中を走っちゃいけないし、大声を出すのも良くないこと。

わが子の言っていることは、正しいことは正しい。

でも、その子の親にも聞こえる声で、そのまま口に出してしまうのです。

こっちとしては、どうしたらいいのか…。

考えた末、わが子に説明することにしました。

「他の子が、間違ったことをしていても、それをあなたが言わなくていいのよ。

どうして言っちゃいけないか、わかる?

それはね、正しいことでも、言われたら、イヤな気持ちがするからだよ。

気持ちだよ。

他の人の気持ちを考えるんだよ。

イヤな気持ちになることは、言わないのよ。」

ややこしい話ですが、5歳のわが子に、何度もこう説明しています。

正義感が強くて指摘してしまう

わが子としては、いつも自分が怒られていることだから、同じことをしている他の子も怒られるはず!

怒られなきゃおかしい!

不公平!

と思っているのかもしれません。

それに、自分はちゃんと言うことを聞いてえらい子にしているよ!というアピールもしたいのかもしれません。

正義感もあるし、「あの子はまちがってる!」と指摘してしまうのです。

これまで、何度もありました。

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キッズスペースでのできごと

先日は、こんなことも。

キッズスペースで遊んでいたわが子。

隣にいた他の子に、何回も、何かを言っています。

近づいて、聞いてみると…。

「ごめんね!ごめんね!」

と、わが子は、その子に謝っています。

そして、こちらを振り返って、こう言いました。

「ねぇ、お母さん!

『ごめんね』って言ったのに、この子、『いいよ』って言ってくれないの!」

一瞬、どうしたらいいのかわからなくなりました。

その子のお母さんもすぐそばにいるのです。

私は、わが子に「言わなくていいの!」と言いました。

そして、その子のお母さんに、「すみません。ごめんなさい。」と謝りました。

そのお母さんは、何かを言おうかどうしようか、といった感じで、何も言っていませんでした。

正しくても相手がイヤな気持ちになることは言わない

たしかに、わが子には、「お友だちに『ごめんね』って言われたら、『いいよ』って言うんだよ。」と教えています。

でも、逆の立場の時に、「いいよ」と言ってもらうことを要求することはできません。

それだと、自分の思う正しさの押し付けになってしまいます。

これは、大人でも、子どもでも、同じ。

わが子が、他の子の言動をとがめた時に、こちらが一緒になって「そうだね、あの子も『いいよ』って言ってくれたらいいのにね」なんて言えません。

「いいよ」って言ってくれなくてもいい。

でも、自分の時には「いいよ」って言わなきゃいけない。

この矛盾が、子どもには難しいところです。

この矛盾を、すっきり解消したい。

わが子からしたら、「どうしてあの子は『いいよ』って言ってくれなくてもいいのに、自分は『いいよ』って言わなきゃいけないの?

どうして?」と思うでしょう。

だから、その矛盾のところにはフォーカスせず、相手の「気持ち」にフォーカスすることにしたのです。

矛盾をすっきり解消するよりも、相手の「気持ち」を考える。

正論をぶつけられた時の、「気持ち」。

イヤな気持ちがするのです。

それは、大人がよくわかっています。

それを、わが子に伝えたい。

ましてや、今は「正しさ」が変わる時代。

親から教えられた「正しさ」さえ、何年使えるかわかりません。

「正しさ」は、変わる。

だから、「あの子はまちがってる!」ととがめること自体が、通用しない時代でもあるのです。

どうして、「正しい」のに、言っちゃダメなのか?

その理由は、1つだけです。

「気持ち」です。

言われた相手がイヤな気持ちになるから。

だから、正しくても言ってはいけないのです。

子どもには難しくても

今の時代じゃなかったら、正しいことを言うのに気持ちなんて考える必要はなかったでしょう。

昔は、かろうじて、正しいことを言うのは「野暮だ」とか、「無粋だ」とか、嗜好とか哲学のレベルだったでしょう。

だから、基本的には、正しいことを堂々と主張しても、何の問題もなかった。

でも、今は、正しくても気持ちを考えるのは必須です。

きっと、道徳のテストや、高校の小論文で、「あなたならどうしますか?」という設問があったら、「正しいことをはっきりと主張する」という答えでは、満点をもらえないでしょう。

わが子に、説明した時。

「他の子が間違ったことをしていても、『この子、まちがってる!』って言っちゃダメだよ。

わかった?」と聞くと…。

「わからない…。」

混乱していました。

あぁ、正しいのに言っちゃいけないということがわからないんだな、と思いました。

やっぱり、子どもには難しい。

ややこしいし、納得できない。

子どもながらに、矛盾をすっきり解消させたいのに、それをさせてもらえないもどかしさを感じているようです。

目を見て、何度も説明し、まずは覚えさせます。

「どうして言っちゃいけないかわかる?

イヤな気持ちがするからだよ。」と。

「どうしてかわかる?」

「わからない…。」

「イヤな気持ちがするからだよ。

どうして言っちゃいけないかわかる?」

「…イヤな気持ちがするから。」

まずは、ここからです。

わが子の代わりに謝る

正義感が強いわが子なので、これからも何度も他の子の言動をとがめるでしょう。

その度に、同じことを説明していこうと思っています。

正しさを、押し付けない。

言われた人の気持ちを考える。

子どもも、大人も、同じ現代人として。

そして、わが子がとがめてしまった子のお母さんに対しても、「イヤなことを言ってごめんなさい。」と、はっきり謝る。

その子本人に対しても、「イヤな気持ちにさせてごめんね。」と謝る。

わが子が小さいうちは、代わりに謝るのも、親の仕事です。

「こっちは間違ってないんだから、親が謝ることはない」と思っていたら、この先きっと立ち行かなくなります。

わが子には、他人を指摘する傾向がある。

だからこそ、矛盾をすっきり解消するよりも、気持ちを考えることの方を優先して教えていこうと思います。



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